
大阪でWebマーケティングをしている、つちやたけしです。
ホームページ制作の現場でよくある失敗事例を紹介するこのシリーズ。今日は一見地味だけれど、実はめちゃくちゃ重要な「ある機能」についてお話しします。
それは、「パンくずリスト」です。
「え?パンくず?食べるパンのこと?」
「なんか聞いたことあるけど、よく分からんわ」
「あんなの、あってもなくても変わらないでしょ?」
もしそう思っているなら、少し危険かもしれません。パンくずリストがないホームページは、例えるなら「迷路のようなデパート」です。
お客さんは今自分がどこにいるのか分からず、迷子になり、イライラしてすぐに帰ってしまいます。
今日は、なぜこの小さなナビゲーションが売上や検索順位(SEO)に大きな影響を与えるのか、そしてどうやって正しく設置すればいいのかを、分かりやすく解説していきます。
パンくずリストとは何か?地味だけどスゴイやつ
まずは、パンくずリスト(Breadcrumbs)がどんなものか見てみましょう。ホームページの上の方に、こんな表示を見たことがありませんか?
ホーム > サービス紹介 > 料金プラン > 法人向けプラン
これがパンくずリストです。今見ているページが、サイト全体のどの位置にあるのかを示しています。
名前の由来はあの童話
「パンくずリスト」という変わった名前は、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」に由来しています
森の中で迷子にならないように、兄妹がパンくずを道しるべとして落としていったエピソードですね。
ウェブサイトでも同じです。ユーザーが深い階層に入り込んでも、「あ、自分は今ここにいるんだな」「ここから戻ればいいんだな」と分かるようにする道しるべなんです。
パンくずリストがないとどうなるか?5つのデメリット
「たった一行のリンクでしょ?なくても困らないよ」というのは大きな間違いです。これがないだけで、あなたのサイトは大きな損をしている可能性があります。
1. ユーザーが迷子になりやすい
特にスマホで見ている場合、メニューを開かないと他のページに行けないサイトはストレスが溜まります。
「あれ?さっきのページに戻りたいのにどうすればいいの?」と迷わせてしまいます。
2. 離脱率が上がる(すぐ帰ってしまう)
迷子になったユーザーが取る行動は一つです。「戻る」ボタンを押して、検索結果に戻ってしまうこと。つまり、あなたのサイトから去ってしまうのです。
3. SEOに悪影響が出る可能性
Googleは「使いやすいサイト」を評価します。
パンくずリストがないサイトは「構造が分かりにくい」「不親切」と判断され、検索順位が上がりにくくなります。
4. ユーザビリティ(使いやすさ)の低下
ECサイト(ネットショップ)で「メンズ > トップス > Tシャツ」という表示がないと、Tシャツを見た後に「他のトップスも見たいな」と思った時に戻れません。
これは大きな機会損失です。
5. 回遊率が下がる
パンくずリストがあれば、「へぇ、この会社って他にもこんなサービスがあるんだ」と気づいてもらいやすくなります。
結果として、サイト内のいろんなページを見てもらえる(回遊率が上がる)チャンスが増えます。
パンくずリストの役割とメリット
では、逆に設置するとどんな良いことがあるのでしょうか。大きく分けて「ユーザーのため」と「検索エンジンのため」の2つの役割があります。
ユーザーへのメリット、現在地が分かる安心感
初めて訪れたショッピングモールで、フロアマップを見るようなものです。「自分は今3階の紳士服売り場にいるんだな」と分かれば、安心して買い物ができます。
ウェブサイトも同じで、「今どこにいるか」が分かるだけで、ユーザーの心理的な負担が減り、じっくりコンテンツを読んでくれるようになります。
SEOへのメリット、クローラビリティの向上
Googleのロボット(クローラー)は、リンクを辿ってサイト内を巡回します。パンくずリストは、サイトの構造を綺麗に整理したリンクの集まりです。
これがあることで、クローラーが「このページは『サービス紹介』の下にあるんだな」と構造を正しく理解してくれます。結果として、サイト全体の評価が上がり、検索順位アップにつながります。
さらに、検索結果の画面にパンくずリストが表示されることもあります(リッチスニペット)。これにより、検索ユーザーからのクリック率が上がる効果も期待できます。
パンくずリストが必要なサイト、不要なサイト
「じゃあ、どんなサイトにもつければいいの?」というと、実はそうではありません。不要なケースもあります。
必要なサイト(9割以上はこちら)
- 階層が深いサイト:ページ数が多い企業サイト、ポータルサイトなど。
- ECサイト:「カテゴリー > サブカテゴリー > 商品」という構造が必須。
- ブログ・メディアサイト:記事カテゴリーを行き来させるために重要。
- ユーザーに回遊してほしいサイト:ほとんどの商用サイトがこれに当たります。
不要なサイト(例外)
- ランディングページ(LP):1ページで完結し、申込みボタン以外押させたくない場合。
- トップページのみのサイト:そもそも階層がないので必要ありません。
パンくずリストの正しい設置方法
「とりあえず置けばいい」わけではありません。効果を出すための鉄則があります。
1. 位置は「ページ上部」が基本
ヘッダー(メニュー)の下、記事タイトルの上が定位置です。ユーザーは無意識に「ここにあるはず」と思って探します。奇をてらって下の方に置いたりしないでください。
2. 階層順に並べる
「ホーム(トップページ)」から始まり、徐々に詳細なページへと進む順序にします。
× 悪い例:料金表 > ホーム > サービス
○ 良い例:ホーム > サービス > 料金表
3. 現在のページにはリンクを貼らない
パンくずリストの一番最後(右端)は、今見ているページです。ここにはリンクを貼らないのが一般的です。
4. キーワードを含める
単に「詳細」とか「その1」とするのではなく、「法人向け料金プラン」のように、ページの内容が分かるキーワードを入れるとSEO効果が高まります。
WordPress(ワードプレス)でのパンくずリスト設置方法
もしWordPress(ワードプレス)でホームページを作っているなら、設置はとても簡単です。難しいプログラミング知識は必要ありません。
方法1、テーマの機能を使う
最近の有料テーマ(SWELL、Cocoon、Lightningなど)には、最初からパンくずリスト機能がついています。「カスタマイズ」画面から「パンくずリストを表示する」にチェックを入れるだけでOKです。
方法2、プラグインを使う
テーマに機能がない場合は、「Breadcrumb NavXT」というプラグインがおすすめです。インストールして有効化し、表示したい場所にショートコードを貼るだけで実装できます。
方法3、SEOプラグインを使う
「Yoast SEO」や「All in One SEO」などの有名なSEOプラグインにも、パンくずリスト機能が含まれています。これらを使っているなら、設定をオンにするだけで表示されます。
よくある質問
Q1. スマホだとパンくずリストが長すぎて邪魔になりませんか?
A. 確かにスマホ画面では長くなりがちです。その場合は、横スクロールできるようにするか、途中を「…」で省略するデザインにするのが一般的です。それでも「ないよりはマシ」です。絶対に設置しましょう。
Q2. パンくずリストのデザインはおしゃれにした方がいいですか?
A. いいえ、シンプルが一番です。目立ちすぎる必要はありません。あくまで「道しるべ」なので、ユーザーの邪魔にならない程度の控えめなデザイン(グレーの文字など)が好ましいです。
Q3. パンくずリストを複数設置してもいいですか?
A. 基本的には1ページに1つですが、Amazonのように複数のカテゴリーに属する商品の場合、複数のパンくずを表示することもあります。ただ、通常の企業サイトなら1つで十分です。迷わせないことが大切です。
Q4. 英語表記(Home > Service)と日本語表記、どっちがいいですか?
A. ターゲットによりますが、日本国内向けのサイトなら日本語(ホーム > サービス)の方が親切です。パッと見て意味が分かる方がユーザビリティは高いです。
まとめ
パンくずリストは、決して主役にはなれない地味な機能です。でも、縁の下の力持ちとして、ユーザーの迷子を防ぎ、Googleにサイト構造を伝え、結果としてあなたのビジネスを支えてくれます。
今日のポイント
- パンくずリストがないサイトは「迷路」と同じ
- ユーザーのストレスを減らし、離脱を防ぐ効果がある
- SEO対策(検索順位アップ)にも必須の要素
- 設置するなら「ページ上部」に「分かりやすい言葉」で
もし、あなたのホームページにまだパンくずリストがないなら、今すぐ制作会社に「パンくずリストをつけてください」と連絡してください。
それだけで、サイトの使い勝手はグンと良くなります。小さな改善が、大きな成果につながる第一歩です。
「自分のサイトはどうかな?」
「設置したいけどやり方が分からない」
という方は、いつでもご相談ください。
大阪のWebマーケターとして、あなたのサイトを「迷わせない親切なサイト」にするお手伝いをさせていただきます。
