やってはいけないホームページ制作依頼、完成イメージや参考サイトを何も伝えずに依頼する

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

「言葉で丁寧に説明したのに、できあがったものが全然イメージと違う。」

ホームページ制作でのトラブルの中で、最も多い原因のひとつがこれです。

依頼するとき、どれだけ丁寧に言葉で説明しても、頭の中にある完成イメージを相手と完全に共有するのは難しいことです。

「シンプルでスッキリしたデザイン」という言葉が、依頼する側には「白を基調とした余白の多いもの」を指していても、制作会社には「情報量を絞ったコンパクトなもの」に聞こえていたりします。

完成イメージや参考サイトを一切共有しないまま依頼を進めると、完成までの過程でストレスが積み重なり、最終的にお互いが不満を抱えたまま終わるケースが少なくありません。

今回は、なぜイメージの共有が必要なのか、どうすれば共有できるのかをお伝えします。

目次

なぜ言葉だけでは伝わらないのか

言葉は便利ですが、視覚的なイメージを伝えるのには限界があります。

たとえば「青い空」という言葉を聞いたとき、ある人は晴天の夏の青空を思い浮かべ、別の人は夕暮れ前の薄い水色を思い浮かべます。どちらも間違いではありませんが、描くイメージはまったく違います。

ホームページのデザインでも同じことが起きます。

  • 「プロフェッショナルな雰囲気で」
  • 「清潔感があって」
  • 「信頼できる感じで」

こういった言葉は感覚的なもので、受け取る側によって解釈がまったく変わります。制作者がある方向性で作り込んだとき、依頼者が「こんなイメージじゃなかった」と感じても、どちらも間違ったことはしていないのです。

料理で例えると、「和食で、家庭的な感じで、温かいものを」と頼んだときに、おでんが出てくるか、肉じゃがが出てくるか、だし巻き卵が出てくるか。指定しなければ、料理人の解釈次第です。あなたが食べたかったのが何だったかは、頼んだ側しか知りません。

イメージを共有しないと起きる3つの問題

問題1、認識のずれが積み重なる

最初に「こんな感じで」と言葉でだけ伝えて制作が始まると、進むほどに認識のずれが広がっていきます。

デザインを見せてもらったら「何か違う」と感じる。でも何がどう違うのかをうまく言葉にできない。「もう少し明るく」「もっとすっきり」と伝えてみても、修正のたびに「なんか違う」が続く。

こうしたやり取りが続くと、依頼者も制作者も疲弊します。修正の回数が増えるほど、費用や時間もかかります。最終的に「もうこれでいいか」と妥協して進めてしまうことも多いです。

問題2、ゴールが見えないまま進む

完成イメージが共有されていないと、制作者もゴールが分からないまま手探りで進むことになります。

登山で例えると、「あの山のどこかに登りたい」とだけ言って出発するようなものです。山頂を目指すのか、途中の展望台を目指すのか、ルートはどこを使うのか。方向性が決まっていなければ、歩いても歩いても「ここでいいのか?」と不安なまま進むことになります。

行き当たりばったりのやり取りは時間のムダになるだけでなく、途中で方向転換が必要になったとき、それまでの作業がまるごとやり直しになることもあります。

問題3、お互いが納得できない結果になる

最終的に完成しても、「思っていたのと違う」という感覚が残ることがあります。

依頼者は「ちゃんと説明したのに伝わらなかった」と感じる。制作者は「言われた通りに作ったのに」と感じる。どちらも一生懸命だったにもかかわらず、お互いにモヤモヤが残ります。

特に予算が大きい場合、このダメージは深刻です。数十万円・百万円単位の制作費を払ったのに、満足できない結果に終わる。これは依頼者にとっても制作者にとっても、避けたい結末です。

なぜこの問題が起きやすいのか

多くの方がイメージを伝えずに依頼してしまう理由はいくつかあります。

「プロに任せれば何とかしてくれる」と思っている

制作会社はホームページを作る技術のプロですが、あなたのビジネスや顧客のことを知っているのはあなた自身です。どんなお客さんに来てほしいか、どんな印象を与えたいか、これは依頼者しか知りません。

参考サイトを探すのが面倒

「どこかいいサイトを探してきて」と言われても、普段意識していないとすぐには出てこないのが正直なところです。でも少し時間をかけて探す手間が、後々の大きなトラブルを防ぎます。

「具体的なイメージはない」と思い込んでいる

イメージがないと感じていても、「このサイトはなんかいいな」「このサイトはちょっと違う」という感覚は誰にでもあります。好きと嫌いを整理するだけでも、イメージの共有は十分できます。

どうすれば正しく伝えられるか

参考サイトを3〜5件探す

自分がいいなと思うホームページのURLをいくつか集めておきましょう。競合他社のサイト、好きな業種のサイト、デザインが気に入ったサイト、何でも構いません。

「このサイトの配色が好き」「このサイトのトップの雰囲気が好き」「このサイトの写真の使い方が好き」という形で、どの部分がよいのかを一言添えると、制作者にとってとても分かりやすくなります。

「嫌いなもの」も伝える

好きなものだけでなく、「こういうデザインは嫌だ」「こういう色使いは避けてほしい」という情報も大切です。

避けたいものが分かると、制作者は方向性を絞りやすくなります。「和風は嫌だ」「ごちゃごちゃした感じは嫌だ」「色を使いすぎるのは嫌だ」といった情報でも、イメージの共有に役立ちます。

絵や手書きメモでも構わない

「うまく言葉にできない」という方は、紙に手書きでレイアウトのメモを書いてみましょう。「右側に大きな写真、左に文章」「ボタンは真ん中に大きく」といったラフなスケッチでも、言葉より伝わることがあります。

うまく描けなくていいです。方向性が伝わる程度で十分です。

キーワードで方向性を整理する

デザインの方向性を表す言葉(キーワード)を並べるのも有効です。

  • 高級感・清潔感・親しみやすさ
  • モノトーン・ナチュラル・明るい
  • シンプル・情報量多め
  • 男性向け・女性向け・年配向け

こうしたキーワードをいくつか選ぶだけでも、かなりの情報を共有できます。

言葉だけで頼める条件とは

「参考サイトも完成イメージも特に持ち寄れない」という方が、それでもトラブルなく制作を進めるためには、2つの条件のどちらかが必要です。

1、完全に任せられるほど信頼できる業者に発注する
過去の実績を見て、「この会社の作るものなら何でもいい」と思えるほどの信頼がある場合です。デザインの方向性も含めてプロの判断に委ねる、という覚悟が必要です。

2、自分が言語化のプロである
頭の中のイメージを、ぶれなく言葉で伝えられる人です。「シンプルにしてください」ではなく「写真は3枚以内、テキストは1セクションあたり100字以内、フォントはゴシック系、カラーは白と黒のみ」というレベルで伝えられるなら、参考サイトなしでも方向性は共有できます。

どちらにも当てはまらない場合は、参考サイトを準備することが最もシンプルで確実な方法です。

よくある質問

Q. 参考サイトを出すのが難しいです。どうすればいいですか?

A. まずは「好きだな」と思うサイトを3件探してみてください。業種は問いません。「このデザインが好き」「このサイトの雰囲気が好き」という感覚だけで構いません。逆に「嫌いなデザイン」を持ってきてもらっても役立ちます。

Q. 参考サイトが競合他社のものでも大丈夫ですか?

A. 大丈夫です。「参考にしたいデザイン」と「コピーしてほしい」は別の話です。色使いやレイアウトの方向性を参考にすることは、一般的な制作の進め方のひとつです。

Q. イメージが固まっていないまま相談してもいいですか?

A. もちろんです。イメージを固めるところから一緒に考えます。「こんなことをやりたいが、どんなサイトにすればいいか分からない」という段階のご相談も大歓迎です。

Q. 修正は何回でもできますか?

A. 修正の回数は事前に確認してください。業者によって「無制限」「2〜3回まで」「追加費用あり」など異なります。回数に制限がある場合、参考サイトや完成イメージを事前に共有しておくことで、修正の回数を最小限に抑えられます。

まとめ

完成イメージや参考サイトを共有しないまま依頼すると、次のような問題が起きやすくなります。

  • 言葉だけでは認識のずれが積み重なる
  • ゴールが見えないまま行き当たりばったりで進む
  • お互いに納得できない結果になる

参考サイトを3〜5件、できれば好きな理由と嫌いな例もセットで伝えることが、トラブルを防ぐ最も効果的な方法です。

言葉だけで依頼するなら、完全に任せられる信頼できる業者か、自分が高い言語化力を持っていることが前提になります。

ホームページ制作は、依頼者と制作者の共同作業です。ゴールを共有することが、いいものを作るための第一歩です。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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