やってはいけないホームページ制作依頼、納期だけを急いで内容を後回しにする

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

「開業に合わせてホームページを公開したい」という気持ちはよくわかります。開業日が決まっていれば、そこに向けて準備を進めるのは自然なことです。

でも、その「急ぎ」が原因で、公開してもほとんど機能しないホームページが出来上がってしまうことがあります。

問題は納期を急ぐことではなく、「とりあえず形だけ作って、内容は後で入れればいい」という考え方です。

ホームページの中身(文章・写真・サービス情報)を後回しにしたまま制作を進めると、お金も時間も損をします。このページでは、その理由と、正しい進め方をお伝えします。

目次

「内容は後で」の何がまずいのか

ホームページは、デザインや見た目の前に「何を伝えるか」が決まっていないと機能しません。レストランで例えると、内装だけ完成させてメニューが決まっていない状態です。お客さんが入っても、何を食べられるかわからなければ帰るしかありません。

ホームページも同じで、訪問者が来ても「このお店は何をしているのか」「自分に合うサービスがあるか」がわからなければ、問い合わせにはつながりません。

「後で内容を入れれば大丈夫」と思っている方が多いのですが、実際には「後で」がなかなか来ません。開業後は忙しくなります。

内容を整える時間が取れないまま、スカスカのホームページが半年も1年も放置されるというケースは珍しくありません。最初から内容がある状態で公開しなければ、実質的に「公開しただけ」で終わります。

また、「仮テキストで先に作っておいて、後から差し替える」という方法を選ぶと、追加の修正作業が発生します。

制作会社への修正依頼には追加費用がかかることもあり、最初から内容を用意して作ったほうがトータルのコストは安くなります。内容を後回しにすることは、費用面でも損をする選択です。

内容を後回しにしたときに起きること

内容が決まっていない状態で制作を進めると、制作会社は「仮テキスト(ダミーの文章)」を使って作業します。

この仮テキストは後から差し替える前提で使われていますが、実際には差し替えが後回しになり続けるケースがほとんどです。「ローンチリム(公開後すぐに修正するはずが、いつまでも直らない)」という状態が発生します。

制作会社と依頼者の間で認識のズレも生まれやすくなります。「サービスの特徴」「ターゲット層」「強みを示す言葉」といった本質的な部分が固まっていないまま作業が進むと、完成してみたら「なんか違う」という結果になりがちです。

デザインは依頼者のイメージ通りでも、伝えたい内容が正しく表現できていない、ということが起きます。

修正の回数が増えると、納期はどんどん後ろにずれます。「内容を後でにした方が早く公開できる」と思っていたはずが、最終的には内容を先に決めた場合より遅く公開になる、というケースも実際にあります。

「急いで進めたのに、かえって遅くなった」という最悪の結果を招くリスクがあります。

内容がない状態で公開するとSEOに致命的な理由

ホームページをGoogleに見てもらうためには、ページの中に「検索キーワードに関連する文章」が必要です。

「整骨院 大阪」で検索されるホームページを作りたいなら、整骨院の施術内容・特徴・料金などを説明する文章がページ上にある状態でないと、Googleはそのページが整骨院に関するものだと正しく判断できません。

内容が薄い、または仮テキストのままのホームページは、Googleの評価が低くなります。SEO的に「役に立たないページ」と判断されると、検索結果に表示されにくくなります。一度低い評価がつくと、その後で内容を追加しても、評価が回復するまでに時間がかかります。

さらに問題なのは、競合サイトが先にそのキーワードで上位表示されてしまうことです。「〇〇 整骨院」「〇〇 カフェ」などのキーワードで、競合が先に検索上位を取ってしまえば、後から逆転するのは簡単ではありません。「内容がない状態で公開 → SEO評価が低いまま時間が経過 → 競合が先に上位を取る」という流れになってしまいます。

なぜ「とりあえず公開」を選んでしまうのか

開業準備の時期は、手続き・物件・スタッフ・備品とやることが山積みです。ホームページに割ける時間が少ないと感じると、「文章は後でいい、まず形だけ作ってもらおう」という判断になりがちです。これは時間的なプレッシャーから来る判断で、責める気持ちはありません。

ただ、この判断が後々の問題を引き起こすことを知っておく必要があります。

「自分で文章を書くのが苦手」「何を書けばいいかわからない」という理由で内容の準備を後回しにするケースも多いです。制作会社に丸投げできると思っていたら、実際には「お客様にご用意いただく必要があります」と言われて困ってしまうことがあります。

ホームページの文章は制作会社が一から考えてくれるわけではなく、事業の内容を知っているのは依頼者本人だからです。

「とりあえず公開してから徐々に整えれば大丈夫」という楽観的な見通しも、よくある原因です。でも公開後の忙しさは想定以上で、「整える時間がいつまでも取れない」という状態になります。開業前の「まだ余裕がある時期」に内容を準備するほうが、現実的にははるかに効率よく進められます。

制作依頼前に最低限準備しておくもの

制作会社に依頼する前に、自分で準備できるものがあります。完璧な文章である必要はなく、メモ書きレベルでも構いません。まず、事業内容・提供するサービスの説明を箇条書きにしてみてください。「何ができるか」「誰に向けたサービスか」「他と何が違うか」この3点を書き出すだけで、制作会社とのコミュニケーションが大幅にスムーズになります。

料金・価格表も事前に整理しておきましょう。「料金は応相談」だけでなく、目安の価格帯があるだけでもホームページの内容は充実します。また、営業時間・定休日・所在地・電話番号・メールアドレスといった基本情報は、制作の初期段階で必ず必要になります。これらが揃っていないと、制作が止まります。

写真も重要です。プロのカメラマンに依頼する必要はなく、スマホで撮った写真でも十分使えます。店舗の内外観・商品・提供するサービスの様子・自分の顔写真(または後ろ姿でもOK)などを準備しておくと、完成したホームページの印象が大きく変わります。「写真がないから」という理由でホームページが遅れるケースも多いので、早い段階で撮影しておくことをおすすめします。

納期から逆算して準備期間を計算する

「開業日にホームページを公開したい」という場合、逆算して準備を始める必要があります。一般的なWordPressサイトの制作期間は、内容が揃った状態から1〜2ヶ月程度です。内容を揃えるための準備期間を2〜3週間見るとすると、開業日の2〜3ヶ月前には制作依頼の相談を始める必要があります。

内容準備 → 制作依頼 → 制作期間 → 確認・修正 → 公開、という流れを把握しておくと、スケジュールが組みやすくなります。「開業の2ヶ月前に制作会社に連絡すれば間に合う」という認識は、内容がすでに揃っている場合の話です。内容の準備が2週間かかるなら、制作会社への連絡は2ヶ月半前には必要です。

開業日に間に合わないと感じたとき、選択肢は「内容を急いで揃える」か「公開日を少し遅らせる」かです。内容のないホームページを強引に公開日に合わせても、SEO効果も集客効果もありません。「開業初日から公開」にこだわりすぎず、「公開するなら内容が揃った状態で」という優先順位で考えてください。

よくある質問

制作依頼前によく聞かれることをまとめました。

Q: 文章が苦手でも自分で用意できますか?

A: 完璧な文章でなくても大丈夫です。箇条書きのメモで構いません。「どんなサービスを提供しているか」「料金はいくらか」「どんなお客さんに来てほしいか」をメモにまとめて制作会社に渡せば、文章に整えてもらえます。自分で書かなくても、素材(情報)を提供することはできます。

Q: 「仮テキストで先に作り始めてほしい」と言えばいいのでは?

A: 可能な場合もありますが、後から内容を差し替える作業で追加費用や修正時間が発生します。最初から内容を揃えて進めたほうが、トータルの費用と時間は少なくなります。また、仮テキストのままで公開するとSEO的に不利な状態でスタートするため、検索からの流入が得にくい期間が長くなります。

Q: 写真は必ず必要ですか?

A: 制作上は、フリー素材でも進められます。ただし、フリー素材だけのホームページと、実際の店舗・商品・担当者の写真があるホームページでは、訪問者が受ける印象が大きく異なります。特に個人・小規模事業者の場合、「誰がやっているか」が伝わることが信頼につながります。スマホで撮った写真でも構いませんので、事前に準備しておくことをおすすめします。

Q: 開業日までに間に合わない場合はどうすればいいですか?

A: 2つの選択肢があります。1つは内容を最小限に絞り込んで、「基本情報だけ掲載した1ページ構成」で公開する方法です。もう1つは開業日の公開にこだわらず、内容が揃ってから公開する方法です。中途半端な状態で公開するより、揃ってから公開するほうが長期的には有利です。どちらを選ぶかは事業の状況によりますので、制作会社に相談してみてください。

まとめ

納期を急ぐことと、内容を後回しにすることは別の話です。公開日を決めることは問題ありませんが、内容(文章・写真・基本情報)が揃っていない状態で制作を進めると、費用・時間・SEO効果のすべてで損をします。

制作依頼の前に最低限用意するものは「事業内容のメモ」「料金の目安」「基本情報(住所・電話など)」「スマホで撮った写真」です。完璧でなくていいので、この4つを準備してから依頼するだけで、制作はスムーズになり、公開後の集客効果も大きく変わります。

開業前の今が、内容を整える一番の時間です。後回しにせず、制作依頼と内容準備を並行して進めてください。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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