
「気に入らなければ何度でも直してもらえる」
そう思って契約したら、3回目の修正で「ここからは追加費用になります」と言われた。
こういったトラブルが、ホームページ制作の現場では頻繁に起きています。
修正回数の上限は、制作会社によってまちまちです。「無制限」の会社もあれば、「2回まで」「3回まで」という会社もあります。制作が始まる前に確認しておかないと、思いがけない追加費用が発生したり、納得いかないまま制作を終わらせることになります。
今回は、修正回数に関するトラブルがなぜ起きるのか、事前に何を確認すればいいのかをお伝えします。
なぜ修正回数が問題になるのか
ホームページの制作は、完成まで何度かやり取りを重ねながら進みます。
最初にデザイン案が出てくる。見てみたら「色をもう少し明るくしてほしい」「このボタンの位置を変えてほしい」「この文章の言い回しを変えたい」という希望が出てくる。修正して再確認して、また気になる点が見つかる。
こうして修正のやり取りが重なっていくのは、制作の自然な流れです。でも、制作会社からすると修正の対応には時間と手間がかかります。そのコストをどこまでサービス内に含めるかは、会社によって方針が違います。
「修正回数:2回まで」という会社に依頼した場合、2回で完璧な仕上がりになるとは限りません。3回目の修正が必要になったとき、「1修正あたり〇万円」という追加費用が発生します。
これを知らずに契約してしまうのが、最初のトラブルの原因です。
修正回数を巡るトラブルが起きる3つの原因
原因は主に3つあります。それぞれどんな状況で起きるのかを確認しておきましょう。
原因1:「無制限」という口頭の約束を信じてしまう
「修正は何度でもOKですよ」と営業担当に言われた。でも契約書には修正回数について何も書かれていなかった。
制作が始まり、修正を繰り返していたら「さすがにこれ以上は対応できません」と言われた——これが典型的なパターンです。
口頭での約束は、後で確認する手段がありません。「言った」「言わなかった」という話になったとき、証拠がないと何も主張できません。
レストランで「今日のランチはサービスで飲み物もつきますよ」と言われてオーダーしたのに、会計時に飲み物代を請求された。「えっ、無料じゃなかったんですか?」と言っても「そんなことは言っていません」と言われる。証拠がなければ反論できません。
修正回数も同じです。「無制限」と聞いたなら、それを契約書や見積書に書いてもらうことが必要です。
原因2:「修正」の定義が曖昧なまま進める
修正といっても、範囲はさまざまです。
- 誤字脱字の修正
- 文章の言い回しを変える
- 色や配色を変える
- レイアウトを大きく変える
- ページを追加する
「3回まで無料」と書いてあっても、どこからが「1回の修正」とカウントされるかが曖昧なことがあります。
「文章を10箇所変えてほしい」と伝えたとき、「10箇所分の修正で10回カウント」なのか「1度の依頼で1回カウント」なのかによって、上限に達するタイミングが全然違います。
また、「ページのレイアウトを全面変更」は「修正」の範囲外として別料金になることもあります。どの範囲までが修正に含まれるかを確認しておかないと、思った以上に早く上限に達してしまいます。
原因3:制作開始後に希望が変わる
制作が始まる前は「これでいい」と思っていたことが、実際にデザインを見ると「やっぱり違う」と感じることはよくあります。
洋服をネットで買ったら「写真と全然違う」と感じる経験をした方も多いと思います。ホームページのデザインも、テキストや説明だけでは完成時の印象を正確には想像できません。実物を見て初めて気づくことがたくさんあります。
こうした「実物を見てから気づく変更」は避けられません。でも、修正回数に上限がある場合、何度でも変更できるわけではありません。
変更を重ねるうちに上限に達してしまい、「本当は直したいけど、もうカウントを使いたくない」という状況になることがあります。
事前に確認すべき5つのポイント
契約前に確認しておくべき内容をまとめます。打ち合わせの場でそのまま質問できるよう、チェックリストとして活用してください。
1. 修正は何回まで含まれているか
まず基本的なことを確認します。「修正は何回まで無料で対応してもらえますか?」と直接聞きましょう。「無制限」という答えが返ってきたら、その内容を見積書や契約書に記載してもらいます。
2. 「1回の修正」の定義はどこか
「1回の修正」が何を指すのかを確認します。「1度の送信でまとめて伝えた内容を1回とカウントする」のか「変更箇所ごとにカウントする」のか。認識のずれが後でトラブルになります。
3. 上限を超えた場合の追加費用はいくらか
上限を超えたとき、追加でいくらかかるかを確認しておきます。「1修正につき〇千円」「1時間作業あたり〇千円」など、会社によって計算方法が違います。事前に知っておくことで、「どこまで無料の修正で対応して、どこからはあきらめるか」の判断ができます。
4. どこからが「追加制作」(修正の範囲外)か
「ページ追加」「レイアウトの全面変更」「方針の大幅な変更」などは、修正ではなく追加制作として別途費用が発生することがあります。何が修正の範囲内で、何が追加制作になるかを確認しておきましょう。
5. 確認内容を書面で残してもらう
上記のことを確認できたら、見積書・仕様書・契約書などの書類に記載してもらいましょう。口頭の確認だけでは証拠になりません。メールのやり取りでも、文章として残っていれば後から確認できます。
修正回数を無駄に使わないためのコツ
修正回数の上限を確認することと同じくらい大切なのが、修正回数をなるべく少なく済ませることです。
参考サイトと完成イメージを事前に共有する
制作前に参考サイトや好きなデザインの方向性を伝えておくことで、最初の提案から方向性がずれにくくなります。最初のデザイン案から大きくズレていれば、修正の回数も増えます。
修正は「まとめて一度に伝える」
気になる点が出てきたとき、1つずつ伝えると回数を余分に消費することがあります。「ここが気になった」「それから、ここも」「あと、こっちも」とバラバラに伝えるより、まとめて整理してから一度に伝える方が修正回数の消費を抑えられます。
デザイン確認の段階で細かくチェックする
デザイン案が出てきたとき、細かい部分まで丁寧に確認しましょう。「なんとなくいい感じ」でOKを出してしまうと、後から「やっぱり気になる」という修正が増えます。フォントのサイズ・色・写真の配置・文章の言い回し、確認できるものはこの段階で全部確認します。
よくある質問
Q. 修正回数が少ない会社は避けた方がいいですか?
A. 回数だけで判断するのは早計です。修正回数が少なくても、ヒアリングを丁寧にしてイメージをしっかり共有できる会社なら、少ない回数でも満足いく仕上がりになることが多いです。「何回まで」ではなく「どうやってイメージを共有するか」というプロセスも含めて判断しましょう。
Q. 契約後に「修正は無制限」という話が出てきたとして、書面になければ主張できませんか?
A. 口頭の約束は証拠として弱いですが、メールやチャットでのやり取りは記録として残ります。「無制限と言われた」という主張をしたい場合は、そのやり取りを証拠として提示できるかどうかが重要になります。大切な約束はメールで確認するクセをつけましょう。
Q. 修正の上限に達してしまいました。どうすればいいですか?
A. まず残っている修正回数で何を最優先で直すかを整理しましょう。「必ず直したい箇所」と「できれば直したい箇所」を分けて、優先度の高いものから使います。上限を超えた場合の追加費用を確認した上で、どこまで追加で依頼するかを判断してください。
Q. 格安の制作会社は修正回数が少ないですか?
A. 必ずしもそうとは言えません。修正回数は価格帯より会社の方針によって違います。格安でも修正を丁寧に対応する会社もあれば、高額でも修正回数に厳しい会社もあります。金額に関わらず、事前に確認することが大切です。
Q. 公開後に修正したくなったらどうすればいいですか?
A. 公開後の修正対応については、別途確認が必要です。制作段階の修正とは別に、公開後のサポートプランがある会社もあります。「公開後に変更したくなった場合の対応方法と費用」も、契約前に確認しておくと安心です。
まとめ
修正回数の上限を確認しないまま契約すると、次のような問題が起きやすくなります。
- 口頭の「無制限」を信じていたら、途中から追加費用が発生した
- 「1回の修正」の定義が曖昧で、思った以上に早く上限に達した
- 納得がいかないまま、上限を気にして修正を諦めた
事前に確認すべきポイントは5つです。
- 修正は何回まで含まれているか
- 「1回の修正」の定義
- 上限超過時の追加費用
- 「追加制作」(修正の範囲外)の基準
- 確認内容を書面で残す
口頭の約束は証拠になりません。大切な条件は必ず書面で確認することが、トラブルを防ぐ一番の方法です。
