
ホームページを制作するとき、制作費だけに目が向きがちです。でも実は、毎月かかり続ける保守・管理費のほうが、長い目で見たときにずっと大きな負担になることがあります。
この記事では、保守・管理費にまつわる契約の落とし穴と、契約前に必ず確認すべき内容を具体的に解説します。
保守・管理費とは何か
ホームページを制作すると、制作費とは別に「保守費」「管理費」「月額サポート費」などの名目で毎月費用が発生するケースがあります。
これはサーバー代やドメイン代のような実費ではなく、制作会社に支払う「サービス料」です。内容としては、ホームページのセキュリティ対応・ソフトウェアのアップデート・問い合わせ対応・軽微な修正作業などが含まれることが多いです。
こういった費用の存在自体は珍しいことではありません。問題になるのは、その金額・期間・内容を十分に確認しないまま契約してしまうことです。
確認しないまま契約すると起きる3つのリスク
保守・管理費の内容を確認せずに契約した場合、後から気づいても簡単には抜け出せない状況に陥ることがあります。
毎月の費用が積み重なって年間数十万円になる
月額1万円の保守費なら年間12万円。月額3万円なら36万円。これだけでもかなりの額ですが、制作会社によっては月額5万〜10万円を設定しているところもあります。
3年契約を結んだ場合、保守・管理費だけで100万円を超えることも珍しくありません。「ホームページ制作費は50万円だった」という場合でも、3年間の保守費が120万円であれば、トータルのコストは170万円になります。
制作費の金額だけを見て「安い」と判断すると、後から大きな出費が続くことになります。
制作費よりも保守費の総額のほうが高くなることがある
ホームページ制作費が30万円でも、月額2万円の保守費が3年続けば72万円。制作費の2倍以上を保守費として払い続けることになります。
こういった構造になっている場合、業者にとっては制作費よりも保守費のほうが収益の柱になっています。制作費を安く見せて契約を取り、その後の継続費用で回収するビジネスモデルです。
制作費の安さだけで判断すると、本当のコストが見えなくなります。
経営環境が変わっても途中で抜け出せなくなる
契約期間が3年・5年と長い場合、途中で解約しようとすると違約金が発生することがあります。
開業当初は余裕があっても、数年後に売上が落ちた、別の経費が増えた、ホームページをリニューアルしたくなったという状況が起きることは十分にあります。そのときに「まだ2年残っている」という状況だと、毎月の保守費が重荷になりながらも払い続けるしかなくなります。
ホームページの運用状況も変わります。最初は更新が必要だと思っていたけれど、実際にはほとんど更新しない。そんな場合でも、保守費は毎月かかり続けます。
契約書で必ず確認すべき3つの項目
保守・管理費の契約を結ぶ前に、必ず以下の3つを確認してください。契約書に記載されている内容が、すべて法的に有効になります。
契約期間
何年の契約なのかを必ず確認します。「とりあえず始めてみて、合わなければやめればいい」というつもりでいても、契約書に「3年間」と書いてあれば、原則として3年間は払い続ける義務が生じます。
理想は、長期の縛りがない契約か、1年以内で更新できる契約です。最低でも「1年で回収できる投資規模に収まるか」を判断基準にしてください。
ホームページを使って問い合わせが増えた、売上につながったという実績が出てから、次の1年を更新するという形が安全です。
毎月の費用
月額がいくらかを確認するのは当然ですが、「値上がりする可能性があるか」「消費税が別途かかるか」も確認が必要です。
また、契約書に書かれている金額以外に「オプション費用」が別途発生する条件になっていないかも確認してください。「基本料金には含まれていなかった」と言われて追加請求が来ることもあります。
業務内容
この3つの中で、最も曖昧に書かれているのが業務内容です。
契約書には「保守・管理業務一式」「運用サポート」のような表現しか書かれていないことが多くあります。具体的にどういう作業をしてくれるのかが書かれていない。
これは業者側の意図的な書き方であることが多いです。業務内容を曖昧にしておくことで、何もしなくても契約違反にならないからです。「保守・管理業務一式」という表現は、毎月何かをする義務があるとも、しなくてよいとも解釈できます。
一方で、契約期間と毎月の費用はほぼ必ず明記されています。業者からすれば、この2つが書いてあれば毎月の入金が保証されるからです。費用は確実に取れる、でも業務内容はぼかす——この構造に気をつける必要があります。
契約前に業者に聞いておくべきこと
契約書にサインする前に、以下の点を業者に直接確認してください。口頭での確認だけでなく、可能であれば書面やメールで回答をもらっておくと安心です。
「毎月の保守・管理業務として、具体的に何をしてくれますか?」
この質問に対して、明確に答えられない業者は要注意です。「随時対応します」「何かあればご連絡ください」という答えだけであれば、実質的に何もしないのに費用だけ取るという構造になっている可能性があります。
「途中で解約した場合、どうなりますか?」
違約金の有無・金額・手続き方法を確認してください。「いつでも解約できます」という口頭の説明だけでなく、契約書に解約条件が明記されているかを確認します。
「更新しない場合、ホームページはどうなりますか?」
保守契約を更新しなかった場合に、ホームページ自体が使えなくなる仕組みになっていないかも確認が必要です。サーバーや独自ドメインを業者が管理している場合、契約終了と同時にサイトにアクセスできなくなるケースもあります。
よくある質問
保守・管理費の契約についてよく受ける質問をまとめました。
Q: 保守・管理費は必ず払わないといけないですか?
A: 契約書を結んでしまった場合は、契約書の内容に従って支払い義務が生じます。契約前に内容を確認し、納得できない場合は契約しないことが大切です。保守・管理費なしで制作できる業者も存在します。
Q: 保守・管理費ゼロの業者は信頼できますか?
A: 保守・管理費がかからない場合でも、サーバー代・ドメイン代は別途かかります。それ以外の費用が発生しないかを確認したうえで、なぜゼロにできるのかも聞いてみると安心です。
Q: 保守・管理費が高いと感じたら、交渉できますか?
A: 契約前であれば交渉することは可能です。内容や金額について納得できない部分があれば、遠慮なく確認・交渉してください。交渉に応じない業者であれば、それ自体がひとつの判断材料になります。
Q: 自分でWordPressを管理できれば保守・管理費は不要ですか?
A: 基本的な更新や修正を自分でできれば、毎月の保守費が不要になるケースが多いです。WordPressは操作が難しくないため、少し慣れれば自分で管理できます。最初に使い方を教えてもらえるかも業者に確認してみてください。
まとめ
保守・管理費にまつわる契約で注意すべきポイントをまとめます。
- 保守・管理費は毎月発生し、数年続けると制作費を大きく上回ることがある
- 長期契約は途中解約が難しく、経営環境の変化に対応できなくなるリスクがある
- 契約書で必ず確認すべきは「契約期間」「毎月の費用」「業務内容」の3つ
- 業務内容は意図的にぼかされていることが多く、何もしなくても業者が契約違反にならない形になっている
ホームページの制作費は一度きりですが、保守・管理費は長期にわたって積み上がります。契約前に内容をしっかり確認することが、後悔しないホームページ依頼の第一歩です。
