やってはいけない開業準備、SNSを絶対しない

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。

「SNSは若い人がやるもの」「面倒くさそう」「うちのお店には合わない」

こういう理由でSNSを敬遠している方は多いです。でも業種によっては、SNSをやらないことが致命傷になります。特に個人経営のお店にとって、SNSは最も費用対効果の高い集客手段のひとつです。

この記事では、なぜ個人店にSNSが重要なのか、どのケースで特に効果が大きいのかを整理します。

目次

なぜ個人店の集客はSNSが向いているのか

個人経営のお店が新規のお客さんを集めるとき、大きな壁があります。それがホームページのSEO(検索エンジンへの上位表示)の難しさです。

「○○駅 カフェ」「△△市 居酒屋」で検索すると、上位に並ぶのは食べログ・ぐるなび・Googleマップ・ホットペッパーなどの大手サービスです。個人店のホームページがその上位に食い込むのは非常に難しく、仮にSEO対策を本気でやるなら毎日ブログを書き続けるか、100万円以上を投資するかが必要になります。

では、SEOが難しいなら何で戦えばいいか。その答えがSNSです。

SNSは大手サービスと同じ土俵で戦えます。投稿の質と継続さえあれば、フォロワーゼロから始めても、着実に認知を広げることができます。しかも多くのSNSは無料で使えます。

SNSが特に効果的な業種・ケース

すべての業種でSNSが最優先とは限りませんが、次のようなケースでは特に効果が大きいです。

個人経営の飲食店
カフェ・居酒屋・定食屋・ラーメン店など、料理の見た目が伝わりやすい業種はSNSとの相性が抜群です。InstagramやXに料理の写真を投稿するだけで、「これ食べたい」という反応を引き出せます。

美容室・ネイルサロン・エステ
ビフォーアフターの写真や施術のプロセスを投稿することで、技術の高さや雰囲気を伝えられます。「このスタイリストにお願いしたい」という指名客を獲得しやすいです。

雑貨店・セレクトショップ・ハンドメイド系
商品の写真や入荷情報をこまめに発信することで、「何か新しいものが入ってないか」とSNSをチェックするファンが生まれます。来店頻度を上げるのにも有効です。

個人講師・教室系(料理教室・ヨガ・ダンスなど)
レッスンの雰囲気や生徒の変化を発信することで、「ここで習いたい」という問い合わせにつながります。先生の人柄が伝わりやすいSNSは、教室系と非常に相性が良いです。

SNSをやらないとどんな損失が起きるか

「SNSをやらなくても今のところ困っていない」という方もいるかもしれません。でも、SNSをやっていないことで起きている機会損失に気づいていないケースが多いです。

SNSは「能動的に探していない人にも届く」という特性があります。たとえばInstagramで地域のハッシュタグを使うと、あなたのお店を知らなかった人の目に投稿が届きます。「こんなお店があったんだ」という発見のきっかけがSNSです。

一方ホームページやGoogleマップは、「すでに興味を持っている人が検索する」ツールです。興味を持ってもらう前の段階では機能しません。

つまりSNSなし・ホームページのみでは、「すでにあなたのお店を知っている人」にしかリーチできていない可能性があります。新規のお客さんを増やすためには、まだ知らない人への接触が必要です。SNSはその接触を生み出す手段です。

フェイスブックとインスタグラム、どちらがいいか

SNSを始めるとき、「どれを使えばいいか」で迷う方が多いです。業種とターゲット層によって変わりますが、基本的な考え方を紹介します。

Instagramが向いている業種・ターゲット
料理・美容・インテリア・ファッションなど、写真映えするコンテンツを持つ業種と相性が良いです。特に20代〜40代の女性ユーザーが多く、ビジュアルで感情を動かせるジャンルは Instagram が最も効果的です。

Facebookが向いている業種・ターゲット
40代以上のビジネス層にリーチしたい場合や、地元コミュニティとのつながりを大切にする場合に向いています。地域のグループに投稿することで、地元の方に認知されやすいという特徴もあります。

ふたつ同時に始めると管理が大変になるので、まずはどちらか一方から始めることをおすすめします。自分が使い慣れている方、またはターゲット層が多い方を選んでください。

ホームページよりSNSを先に始める理由

開業時に限られた予算と時間でどちらを優先するかといえば、多くの個人店にとってSNSが先です。

理由はコストと即効性の違いです。ホームページはSEOの効果が出るまでに数ヶ月〜数年かかることがあります。一方SNSは、投稿を始めた翌日から閲覧されます。フォロワーがゼロでも、ハッシュタグや位置情報を活用することで、まだ知らない人の目に触れるチャンスがあります。

また、SNSの運用はお金がかかりません。スマートフォンと少しの時間があれば始められます。「予算がない開業初期」にこそSNSが適しています。

SNSで一定のフォロワーがついてから「ホームページも作ろう」と動く方が、ホームページへのアクセスが最初から見込めるため、費用対効果も高くなります。

SNSが効きにくいケースもある

ここまでSNSを推奨してきましたが、すべての業種でSNSが最優先というわけではありません。

法人向けのサービス(BtoB)や、士業・コンサルタントなど信頼性が重要な業種では、ホームページが先に必要なケースが多いです。法人担当者がSNSを見て問い合わせするより、ホームページを見て判断する方が一般的だからです。

また、商圏が広く検索ボリュームが狙えるキーワードがある業種では、SEOを先に強化する方が効率的なこともあります。自分の業種でどちらが向いているかを判断するには、競合が何をやっているかを観察するのが手っ取り早いです。

「同業のお店・会社がSNSを積極的にやっていて、フォロワーが多い」なら、SNSが効く業種です。「競合はホームページのSEOを頑張っていて、検索で上位に出てくる」なら、SEO対策が効く業種です。

SNSを始めるときの3つのポイント

SNSを始めようと思ったときに押さえておくべき点を3つ紹介します。

投稿テーマを絞る
「何でも投稿する」より「このお店らしいコンテンツ」に絞った方が、フォロワーに覚えてもらえます。カフェなら「今日の一杯」、居酒屋なら「仕入れたての食材」など、テーマを決めて続けることが大切です。

プロフィールをきちんと書く
投稿を見て気になった人がプロフィールを見ます。住所・営業時間・予約の取り方など、基本情報が書かれていないと次のアクションにつながりません。フォロワーを集める前に、プロフィールを整備しましょう。

地域タグとハッシュタグを使う
「#大阪カフェ」「#〇〇駅グルメ」のような地域タグを使うことで、お店を知らない近隣のユーザーに投稿が届きます。毎回忘れずにつけることが、フォロワーを増やすうえで効果的です。

よくある質問

Q: SNSを始めたいけど、継続できるか不安です。

A: 最初は週2〜3回の投稿から始めるのが現実的です。毎日投稿しなくても、継続することの方が重要です。「続けられるペース」を最初に決めておくと、長続きします。

Q: 写真が下手でも大丈夫ですか?

A: 大丈夫です。スマートフォンで撮った自然な写真の方が、加工しすぎたプロ写真より「本物感」が伝わることもあります。明るい場所で撮ること、構図を少し意識することだけでも、見た目はずいぶん変わります。

Q: フォロワーが増えないとモチベーションが続きません。

A: フォロワー数よりも「投稿の保存数」を見てください。保存されているということは、また見返したいと思っている人がいるということです。フォロワーが少なくても保存が多ければ、それは価値のある投稿です。じわじわとフォロワーが増えていきます。

Q: SNSとホームページの両方を同時に始めてもいいですか?

A: できれば先にSNSを立ち上げてから、ホームページを作る方がおすすめです。ホームページを先に作っても、SNSからの流入がない段階ではアクセスが来ません。SNSでフォロワーができてからホームページを作ると、公開初日から一定数のアクセスが期待できます。

Q: SNSの運用を外注することはできますか?

A: できますが、個人店の場合は内製(自分でやる)の方がおすすめです。SNSで伝わる「人柄」や「日常」は、外部の人間が代わりに発信しても本物感が出ません。面倒な部分の仕組み化(テンプレートを作るなど)を外注に任せて、投稿自体は自分でやるというやり方が効果的です。

まとめ

「SNSは苦手だから」「うちには関係ない」という思い込みで、SNSを最初から排除してしまうのは、業種によっては集客の機会を大きく損ないます。

個人経営のお店にとって、SNSは最も費用をかけずに新規のお客さんにリーチできる手段です。ホームページを100万円かけて作るより、毎週3回SNSに投稿を続ける方が、開業初期の集客では結果が出ることが多いです。

SNSが効く業種かどうかは、同業の競合が何をやっているかを見れば判断できます。競合が活発にSNSをやっていてフォロワーを集めているなら、やらない理由はありません。

まず一つのSNSを選んで、できるペースで始めてみてください。0と1では大きな差があります。

つちや たけし
1,000社以上の店舗集客と会社集客をサポートしてきたWebマーケティングプランナー。複数のYouTubeチャンネル運営経験を持ち、複数のSNSやサイトを運営、実践的なマーケティング戦略の立案・実行を得意とする。「理論より実践」をモットーに、現場で使える具体的なノウハウを提供している。
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